ピアノコンクールの課題曲になるC.P.E.Bach「Allegro」を読み解く
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藤沢市にある、ピアノ・英語リトミックの藤沢ピアノ音楽教室です。
この時期になると、ピアノのコンクールが各地で行われるようになりますよね。
PTNAのピアノコンクール・神奈川県の部の第一次予選は今週末が最後の日程。
きっとこのBlogをご覧くださっている方の中にも、お子さんがコンクールに向けて毎日の練習を頑張っている方がいると思います。
ピアノのコンクールに出場するからには、やはり一次予選は突破したいもの。
「審査員の先生方は、出場者のピアノ演奏のどんな所を聴いているのだろう?」
そんな、ピアノコンクールの審査ポイントを、今回はお話をしてみたいと思います。
何故この曲がコンクールの課題曲になるのか
コンクールには、課題曲と自由曲という選曲設定がありますよね。
自由曲では、「何分以内」という時間制限の設定以外は、基本的に何でも、自由に選んでよいことになります。
これについては、また後日Blogに書いてみたいと思いますが、問題になるのは課題曲。
課題曲は、ピアノコンクールの参加者が必ず弾かなければならない曲です。
ということは、審査員が何度も何度も飽きるくらいに聴かなければいけないのが課題曲なのです。
毎回同じ曲を聴き続けていったら、どうなるでしょうか??
「もうお腹がいっぱい!」
審査員の先生方も、何人も同じ曲を聴き続けたら、きっと同じ気持ちになりますよね。
そんな風にならない為にも!
課題曲が決まっている場合、課題曲を演奏する際によく考えなければならないことがあるのです。
それは一体何なのか、お分かりになりますか?
ピアノコンクールの課題曲で、審査員が聴いているポイントとは
課題曲とは、曲の中には何らかの課題があり、それが出来ているのか、どのように弾いているのか、という点を見ているということです。
その課しているものとは、一体何なのか。
そこを、まずは見極めなければなりません。
・テクニック的に難しい所
・曲を音楽的にとらえると、どのように演奏すべきなのかetc…etc…
ピアノのコンクールって、よほどのことがない限りは”参加者のレベルはほとんど一緒”だと思っていいと思います。
その中で、次のステージに勝ち進むためには、やはり他のコンクール参加者と、ご自身の演奏レベルが同じでは、予選を突破することは出来ません。
言い換えるならば、
他の参加者が弾けている所は、ご自身の演奏でも弾けていないとダメだ、ということになりますね。
このC.P.E.BachのAllegroの楽譜を見た時、まず気が付いてほしいポイントは「記譜の細やかさ」です。
スラー、スタッカートがとても細かく表記されているのは、この時代の曲の一つの特徴でもあります。
これをアーティキュレーションと呼びますが、この弾き方は記譜に忠実に、必ず守ってくださいね。
書いてあることを全て守れば、7・8割方は上手に演奏できると言われています。
でも、勿論それだけではピアノのコンクールの予選は突破できません。
楽譜に書かれている本当の意味を読み取ることが出来て、初めて他の人とは違う土俵に立てると思ってください。
楽譜を読み解くという本当の意味
コンクールで審査員が参加者の演奏に求めている事。
それは、楽譜をしっかりと読み取り、それをピアノの演奏に生かしているか、という事です。
どの曲においても言える事ですが、ピアノの演奏で大切な所は、「楽譜に書かれていないことを、楽譜から読み取る」という事。
これが本当の読譜力・アナリーゼ力であり、ここが他のピアノコンクール参加者と差が出るところなのですが、この点はやはりピアノレスナーが自力でするには難しいと思います。
演奏の解釈や考え方は100通りあってよいと思うのです。
それが、審査員に説得できるものであれば、他人と比べる必要はないし、それこそが”あなたという唯一無二のピアノ演奏の素晴らしさ”だと思うのです。
過去にピアノコンクールの審査員をしていた視点から、動画で解説をしてみました。どうぞご参考にご視聴下さい♪